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2013年2月6日水曜日

神田川に ユリカモメ が舞う、

先日、秋葉原へ行く途中、いつもは銀座線神田駅で下車し、神田川に架かる万世橋を渡るが、その日は、都営新宿線岩本町駅で下車し、秋葉原へ向かった。

万世橋よりひとつ下流の和泉橋を渡る時に、川面に目をやると、何と ユリカモメ の群れが飛び交っていた。

ここから、さほど遠くないお台場の渚には、時折、この ユリカモメ の乱舞が見られるが、都心の川面で見る機会は殆ど無い。

居合わせた人々が、ユリカモメ と知ってか?知らずか?一様に、デジカメや携帯を向けていた。

その昔、東下りの 在原業平 が隅田川を渡る時に、船頭から 都鳥(ミヤコドリ)と聞いて、京に思いを巡らせた鳥が、この ユリカモメ と言い伝えられている。

実のところ、ユリカモメ は翼が灰色(腹は白)、嘴と脚が赤い、ミヤコドリ は嘴と脚が赤いものの、翼は黒色(腹は白)で、区別は容易である。

この ユリカモメ は、東京都の鳥とされ、新橋からお台場を周回するモノレールの愛称(ユリカモメ)にもなっているほど、今では有名だ。


伊勢物語「都鳥」
在原業平は、権力闘争に敗れ藤原高子を失い、悶々とした気持ちで東へ下るが・・・

なお行きゆきて武蔵国と下総の国との中に、いと大きなる川あり、それを隅田川といふ。
その川のほとりに群いて思ひやれば、限りなく遠くも来つるものかなとわびあえるに、
渡守はや舟に乗れ、日も暮れぬと言うに、乗りて渡らんとするに、皆人ものわびしくて、
京に思ふ人なきにしもあらず。

さる折しも、白き鳥のはしと足の赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ、魚を食ふ。
京には見えぬ鳥なれば、皆人見知らず、渡守に問ひければ、これなん都鳥といふを聞きて、

名にしおはば、いざ言問わむ 宮古鳥 わが思ふ人は ありやなしやと

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