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2007年10月23日火曜日

学研の「大人の科学シリーズ」に単一乾電池(2本)で働く「真空管アンプ」が登場

学習研究社の「大人の科学シリーズ」では、既に「真空管ラジオVer.1」と「真空管ラジオVer.2」がラインナップしていますが、それに加えて、今回は「真空管アンプ」が登場します。

真空管
真空管は前作と同様に中国製で「1B2」と「2P3」を採用し「真空管アンプ」キットとしたそうです。電圧増幅段に「1B2」を、電力増幅段に「2P3」を用いた回路で、左右2チャンネル同じ構成です。

電源として、単一乾電池(1.5V)二本を並列に使用しています。
真空管回路では、A電源(ヒータ電源)とB電源(プレートやグリッド用の直流電源)が必須ですが、今回のキットではB電源用の乾電池を必要としません。

現在では入手出来ない高圧積層電池(45Vとか67.5V)に代えて「DC-DCコンバーター」が用いられ、1.5Vの直流から50V近くの電圧を発生させています。
コンバーターの発振周波数は約20kHz、発振音は聴こえませんが、スイッチングノイズの低減とか、感電防止?とかの理由により基板上では完全なシールドケースに組み込まれたモジュールとして、ブラックボックス化しています。つまり、この「真空管アンプ」は1.5Vで動作する訳です。

真空管アンプの
システム構成
発想的には目新しい事ではなく、昔に於いても同じ様な事例もありますが、電池の性能が格段に向上した今日では、かなり長時間にわたり安定した高圧を発生させる事が出来ると思われます。資料によると、一日2時間使用で約20時間の電池寿命を確保できるとあります。
私個人としては、この「真空管アンプ」にそれほど興味がありませんが、ブラックボックス化した「DC-DCコンバーター」だけを取り出し、別の用途に使って見たいと思っています。

今回の真空管アンプは、基板上のほとんどのパーツは実装済みで、構造物の組み立て、真空管や電池ボックス、機構部品などの取り付け、端子ピンを使用したワイヤリングが中心の半完成品です。真空管ラジオのような、ループアンテナ部の巻き線や開閉式バリコンの組み立てなどが無いだけに、手際よく組み立てれば約30分程度で完成できるとのことです。
発売は11月下旬、価格は12,390円(税込)の予定とか・・・
  

なお、この「真空管アンプ」の音質は、レトロ志向のマニアが多い、高いクオリティーを極めた高級真空管アンプにはとても及びません。
未だ試聴の機会はありませんが、その仕様から推測すると、小型ラジオ並の音質と音量だと思われます。
「大人の科学シリーズ」のヒトツとして、正に「真空管アンプ」を啓蒙するエントリーモデルと言えそうです。

「仕様」
出力: 100mW/ch
使用真空管: 直熱タイプ電池管 電圧増幅:1B2 (2本)、電力増幅:2P3 (2本)
入力端子: RCAピンジャック
入力感度: 1Vp-p
入力インピーダンス: 100kΩ
負荷(出力)インピーダンス: 8〜16Ω
周波数特性: 100〜10kHz (+0.6dB)
歪率: 5%以下 (1kHz)
電源: 単一アルカリ乾電池 2本
電池寿命: 一日に1時間使用で約20日間
付属品: マルチセルラホーンスピーカー:250mW8Ωフルレンジ方式 2個、オーディオケーブル:RCAピンプラグ 2本、3.5mmφステレオミニプラグ
回路図: ↓
回路図

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