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2007年6月7日木曜日

サイン付きの「Macintosh Plus」に九万九千八百円の値札が

秋葉原のソフマップのマック専門店「Mac Collection」の中古フロアに、だいぶ前から「Macintosh Plus」が一台置いてあります。
「Macintosh Plus」は以前から他の中古マックに混じって時々見掛け、取り立てて言うほどの事もありません。しかし、今回のモノは、ケースが外されていて、本体とケースが並べて棚に収まっていました。しかも、そのケースは透明なシートでくるまれていますが内部を覗くことが出来ます。

同型の「Macintosh Plus」

クラシックなMacintoshに興味のないマックユーザーは通り過ぎていきますが、中をのぞき込んでチョットだけ感激しました。噂に聞いていた、当時のMacintoshの開発メンバーのサインがケース内側の背面に見えました。特にレアーなことではないかも知れませんが、普段は内部をのぞく機会など無いわけですから、何とも得をしたような気分になりました。

初期のMacintoshのケース内部には開発メンバーのサインがあることは、マックファンなら知っている方も多いと思います。伝えられている話として、アップルはMacintoshの開発メンバーを単なるスタッフとしてではなく、アーチストと位置づけ、それぞれの名を記すと共に、作り上げた人間たちをもアピールしたようです。
光線の具合でヒトツヒトツのサインを読みとることが出来ませんでしたが、スチーブ・ジョブズの名は勿論、ウォズニアック、ジェフ・ラスキン、ブライアン・ロバートソン、クリストファーエスピノザなどの名が刻まれているようです。

たったそれだけのことですが、この「Macintosh Plus」には、九万九千八百円の値札が付いていました。蛇足ですが、まともには動作しないようで、サインが無かったら、この十分の一くらいの価格だと思います。


「Macintosh Plus」(開発コード名:Mr.T)は1986年1月に発売、8MHzのMotorola MC68000を搭載した当時の最速マシンです。この頃のAppleの製品では改良版に「〜 plus」というネーミングが付けられるのが通例で、「Macintosh Plus」もその名の通りそれまでのMacintosh 128K、512Kの欠点を補ったマシンとして開発されたと聞きます。具体的な改良点は、

SCSIインターフェイスの採用
SIMMスロットの採用 
AppleTalk標準装備 
キーボードにテンキーを装備

漢字Talk1.0によって日本語に対応できるようになったのも「Macintosh Plus」からで、1986年から1990年まで製造された長寿命のマックです。しかも、漢字Talk7.5.5までサポートしていました。

スペック
CPU:MC68000/8MHz
ROM:128KB
RAM:標準2MB、最大4MB(30ピンSIMM)
FDD:800KB×1

インターフェイス
シリアルポート×2
SCSIポート×1
外部フロッピードライブポート×1
マウスポート×1
キーボードポート×1
モノラルサウンドポート×1
ディスプレイ:内蔵9インチモノクロ(512×342pixel)
外形:243mm×273mm×344mm
重量:7.5Kg

「Macintosh Plus」が発売になった1986年頃、私はNECのPC-8801mk2のN-Basicで遊んでいた時代です。Appleの存在は知っていましたが、高嶺の花的な存在でした。それにしても、CPU Z80互換/4MHzとRAM 64kBのPC-8801mk2ではスペック的にも雲泥の差、SCSIポート、マウスポートまで標準装備した「Macintosh Plus」が如何に先進的であったかが今さらに分かります。

余談ですが、いま、私のマック・コレクションのヒトツに「Macintosh SE-30」があります。「Macintosh Plus」の後、1990年頃に発売になった同じモニター一体型の小型マックですが、「Macintosh Plus」の面影を色濃く残しつつ、スペック的には飛躍的に向上していて重宝しましたが、今は流石に出番もありません。

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