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2006年11月8日水曜日

南極観測船「宗谷」の出港から五十年

五十年前の同日、1956年(昭和31年)11月8日午前11時、国民の期待を一身に背負った南極観測船「宗谷」は東京港区の芝浦ふ頭を出航しました。

現在、芝浦ふ頭の南端にはレインボウブリッジの芝浦側の橋脚が建っていて、私が当時住んでいた家から1.5kmほどのところです。今は関係者以外オフリミットですが、当時は芝浦ふ頭への出入りは誰でも自由でした。
しかし、この時ばかりは交通規制があり警官の誘導で芝浦ふ頭に入り、出港式を見る事ができました。オレンジ色の船体が目に鮮やかで、五色のテープが飛び交う中を、腹に響く様な汽笛を鳴らし出航するシーンを今でも覚えています。

左手前が宗谷、右奥が羊諦丸

しかし、東京港内には外国船籍の大型貨物船がたくさん停泊していて、宗谷はそれに比べ遙かに小さく見え、この船が単独で赤道を越えて南極海まで往復してくるなんて、当時としては冒険に近い事と皆が思っていました。
それでも、南極では難なくオングル島へ直に接岸すると言うラッキーなニュースも聞き、島国の小国でも、やれば出来るとの自信を誰もが持った昭和三十年代だったと思います。

余談ですが、この「宗谷」は、お台場の南端にある船の科学館横の海面に当時の姿を留めつつ係留され一般公開されています。また、その向こう側に並ぶようにしてJNRの青函連絡船だった「羊諦丸」も係留され、こちらも一般公開されています。

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