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2006年6月21日水曜日

お世話になった沖データのPSプリンタを粗大ゴミに

長い間、頼りにしてきたプリンタを処分することになりました、沖データ MICROLINE803PSIIV+Fです。

簡単には直せない不具合でメーカに修理を依頼すると、出張費と初期費用だけで三万円もかかり、当然ながら部品交換も安くなくトータルで十万円くらいになるかも知れなかったからです。

OCFフォント時代にDTP業界では定番のポストスクリプト対応のモノクロ・プリンタでした。
沖データ モノクロ・PSプリンタ
MICROLINE803PSIIV+F
なお、見慣れない単語ですが、DTPとはDesktop Publishingの略で、居ながらにしてパソコンで印刷物を制作することを意味する言葉のようです。

インクジェット方式のカラープリンタが全盛時代に、今さらモノクロ・プリンタでもないですが、印刷物を制作する関係者の間では、このポストスクリプト対応のプリンタが必須です。

蛇足ですが、印刷関係(最終メディアが、例えば、雑誌とか広告、カタログ、チラシなど)のデータはEPS形式という形式で、フォトショップやイラストレータ、ページメーカ(インデザイン)などでコンテンツを制作した時に、最終的にこの xxx.eps とデータ形式を指定します。フォントは俗にいうアウトライン・フォントではなくポストスクリプト・フォント(通称、PSフォント)を用い、イラストや画像データは全てをこのポストスクリプト形式に揃へる必要があります。

多くがプロユースのため販売台数が少なく、一台あたりのコストも高いらしく?、価格も驚くほど高いのです。
私がこのMICROLINE803PSIIV+Fを入手したのが1998年頃で、当時のハイエンドPowerMac 9000シリーズより高かった様に記憶しています。アキバのラォックスのMac専門フロアで買いましたが、確か三十数万円しました。

プロユースをパーソナルユースとしてわざわざ買ったのには、これなくして自分の思うことが出来ないと判断したからです。それは、自分の原稿を自らMacで編集レイアウトして出版したかったからです。

それには、この沖データ MICROLINE803PSIIV+F が必須でした。これが無いと、校正の為のプリントアウトはもちろん、正しくプリント出来ないことでのデータの不具合を検証できないからでした。

データの完成までには約半年掛かりました。

普通は、ワードか何かで原稿を制作して、それをテキストベースでDTPアプリに移動して編集作業に移る訳ですが、私の場合は、思いつくまま、Macにオンラインで文字(原稿)をキーボードから打ち込みながら一ページ一ページ完成させて行ったので、元になる原稿はありませんでした。

ワープロ操作をしながら、そのページに必要な画像データやイラストを同時進行で揃えてその都度、そのページへ組み込んでいく作業もしていたので、一ページずつ完成したページが日々積み重ねって行きました。

毎日毎日、この作業の繰り返しで約半年間が経過し、このプリンタには毎度毎度お世話になりつつA5版二百数十ページのデータを完成させ出版社へMOで持ち込みました。
それは今から六年前のことでしたが、直ぐに印刷出来る状態の完全原稿で持ち込んだため、一ヶ月ほどで出版が決まり、その二ヶ月後には出版される事になりました。

今でも忘れられないのは、出版社のご担当から「自分の原稿を自らMacでDTPしてデジタル入稿してきた人は貴方が初めてです・・・」って言われ、やり甲斐があったと密かに思いました。

出版されれば、もちろん印税が頂ける訳ですが、「デジタル入稿なので(制作費としての)代価もお支払いします・・・」って言われ、予期せぬ額のお支払いを受け、プリンタの購入代などに充当しても、あとMacが何台か買える程でとてもハッピーな気分になりました。

そんな思い入れのある沖データ MICROLINE803PSIIV+Fですが、その後もDTP以外のプリントにも活躍して、印字の綺麗さと歪みのない緻密な画像プリント、正確な紙送りに満足していました。しかし、思えば足かけ八年にもなり老朽化が最大原因ですが、すでにOCFフォントの時代でもなく、今回の不具合の発生を機に廃棄することにしました。

大型で、幅が50cm、高さが32cm、奥行きが43cmもあり、重量は22kgと一人で運ぶには少々難があり、間違えばギックリ腰も覚悟の必要がありそうな代物です。

ソフマップとラオックスに下取りの相談をしたのですが、丁重にお断りされ、やむなく東京都の粗大ゴミセンターへ申込をして、何と800円で引き取ってもらうことになりました。

今日までに何台かのプリンタと付き合いましたが、これほど信頼の置けるプリンタはありませんでした。思い出にと、オプションで七万円もしたEtherボードを取り外しました。手放す時には労りのひと言でも掛けてやりたい気持ちです。



コメント(アーカイブ)

おつかれさまです。
そうですね、このころのMac系の物は高価でしたね、しかし最高の環境を提供してくれたと思います。現在の用に手軽にWinでDTP.DTMなんか出来ない時代でも有りました。
 16Mのメモリーを8万で買った記憶が・・・
時代ですかねー 私も ばかWinオヤジに成ってしまいました。
Posted by  まぐま at 2006.6.21 18:46:54
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これでOCFフォントからの決別になりそうです。Mac OSXではシステム・フォントのヒラギノ・フォントが自由に使えて、あのポストスクリプト・フォントの足枷と言うか、忌まわしい呪縛から解放されるそうです。
それで、買い換えも同じ沖データのMICROLINE22NRにする予定です。もちろん、PS対応ですがPSフォントは平成明朝と平成ゴシックしか対応していませんが、Mac OSXではそれに依存する必要もなく、ただただ、イラストレータやフォトショップのEPSデータがキチンとプリント出来ることに注目しています。ただし、A4サイズまでしか用紙が対応していないのが惜しまれますが、十万円以下で買えるのがSOHOとしては魅力です。
ただし、今でもMac OS8.6や9.2.2の環境がメインの私にとっては、この部分に関してはMac OSXへ移行する必要があり、頭の痛い問題も抱え込むことになります。そんな意味に於いては、XPの環境を四年も五年も使えるWinが一寸だけ羨ましいです。
Posted by  BlueMac at 2006.6.21 23:53:45
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